大麦について

大麦の食物繊維

投稿日:2019年7月3日 更新日:

大麦は食物繊維の宝庫です。

他の穀類では、不溶性食物繊維の割合が高く、水溶性の食物繊維の割合が低いのですが、大麦の場合は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を豊富にバランスよく含んでいます。

不溶性食物繊維は、体の中で水分を吸収してふくらむので、便の量を増やして排便を促す働きがあります。また、体内の老廃物や毒物を吸収して便として排泄させます。

不溶性食物繊維の動きと働き

水溶性食物繊維は食べたものを胃から小腸へゆっくりと移動させるため、急激な血糖値の上昇を抑えたり、血中のコレステロール値を正常化する働きがあります。

この働きにより、糖尿病や動脈硬化の予防に効果が認められています。

特に大麦には水溶性食物繊維のβ-グルカンが含まれており、この成分にコレステロールを低下させる作用があることが確認されています。

アメリカではオート麦の食物繊維がコレステロールを低下させる作用があることは広く認識されていますが、大麦のコレステロール低下作用はオート麦よりもさらに効果が高いと言われいます。

食物繊維は大腸の中の善玉菌を増やすので、便秘になりにくくなります。

また、大麦の食物繊維によって便の量が増えたり、腸内の通過時間が短くなることによって大腸がんの発症を抑制する効果があると考えられます。

私たちの主食であるお米も、玄米の状態ではたくさんの食物繊維を含んでいますが、精白すると、食物繊維はかなり減ってしまいます。

大麦は精白した状態でも、精白米に比べると10倍以上の食物繊維を含んでいます。大麦とお米を一緒に炊いた麦ご飯は食物繊維を簡単に取るための理想のメニューであると言えます。

大麦のGI値の性質

現在日本で猛威を振るう生活習慣病は、栄養過多・カロリーオーバーが原因の多くを占めています。

それに伴い、健康管理の大部分は食事制限が主体となります。

とくに「食物のGI値」を考えることは大切です。

GI値とは、食物を摂取したときに起こる、体内のインシュリンの分泌量の値であり、これが高すぎることで血液と血管を汚し、糖尿病などのリスクが高まることが確認されているのです。

人の食べる食物は、「3大栄養素」の炭水化物・タンパク質・脂質に分類されますが、GI値はとくに炭水化物に対しての性質を測る数値です。

GI値は、純粋なブドウ糖が100になり、これが最高値です。

餅が85、うどん、精白米が83程度、精白小麦で作った食パンなどは90を超えます。

これらの食べ物はGI値が高い部類に入り、生活習慣病を引き起こすリスクが高いとされます。

これらに対して大麦は65と低く、健康食としてしられる全粒粉パンやライ麦パンよりもGI値が低いのです。

飽食が原因で起きる健康被害が社会問題となる先進国では、GI値が低く栄養価の高い大麦は救世主的な存在だと言えるのです。

まとめ

大麦の持つ食物繊維の豊富さやGI値の優秀さは、健康面から見たときに想像以上の価値があります。

また日本で定番化している、大麦の葉を原料とした青汁には種子以上の健康効果が確認され、生活習慣病など現代病予防の観点から注目度が年々高くなっています。

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