米はイネ科イネ属の一年草です。日本人にとって「米」はあって当然の主食である一方、その特徴や性質を深く知らない人も多いようです。
アジア地域の人々の食を支える「米」は、文明発祥のバックボーンにもなるほど重要な食物です。
健康やダイエットを考えるとき、主食である米のことを深く知ることで、正しい食生活をすることができます。
ここでは日本人の主食である「米」について詳細を解説していきます。
この記事に書いてあること
お米の種類
大別すると、ジャポニカ種とインディカ種があります
ジャポニカ種は日本や朝鮮半島で食べられている米で、粘り気があります。
インディカ種は東南アジアで食べられている米で、細長くぱらぱらしています。
また、お米はでんぷん質の違いによって粳(うるち)米ともち米に分かれます。
うるち米は私たちが普段食べているご飯で、もち米はお赤飯やおこわまた、おもちになるものです。
うるち米ともち米は見た目の色が違います。半透明のものがうるち米、白いものがもち米です。
もち米は、粒に含まれるでんぷんの隙間に空気が入るために白く見えるそうです。
稲作の歴史
稲作の歴史は原産地の中国・インド・ミャンマー周辺地帯から始まりました。
日本では縄文時代中期から稲作が行なわれました。
この頃のお米は赤長米だったと考えられています。
世界のイネ栽培面積は1.5億ヘクタール、収穫量は6.1億トン、生産量の多くは中国、インドなどでまかなわれています。
お米の栄養素
お米は理想的なエネルギー源だと言われています。
主な成分は、炭水化物76%、たんぱく質7%、脂質1%などとなります。
お米の消化吸収率は98%ととても高く、精白米100gあたりの熱量は356キロカロリーです。
また、体を作るたんぱく質というとすぐにお肉と考えがちですが、お米にもたんぱく質が含まれています。
お米のたんぱく質にはアミノ酸がバランスよく含まれていて、卵のたんぱく価を100とすると、精白米は81で、牛肉の79や大豆の70よりも実は優秀です。
この他にも、ビタミンB1やB2、カルシウムなどが含まれています。
日本人の米の食べ方の変遷
米は日本人にはなくてはならない農作物であり、これは日本という国が形成され始めた古来から変わりません。
ただし、「米の食べ方」は時代によって違い、それによって日本人の体質や健康状態にも大きな影響が現れているとも言われています。
米は外皮(籾殻)の中に種子があり、その部分が可食部になります。
外皮を取り除いても、そこには「果皮」があり、果皮が残った状態の米を「玄米」と呼びます。
日本では戦国時代まではこの玄米の状態で炊飯して食べていましたが、江戸時代の中期、後期頃に精米技術が発達して「精白米」が普及しました。
江戸時代以前までの日本人の食事は主食の米が全体の多くを占め、副菜(おかず)は極めて少量でした。
玄米は完全食と言われるほどに栄養価が高かったので、精白米が現れる以前まではそれでも健康を維持することができましたが、果皮を除去するようになって栄養バランスが崩れ、江戸時代にはビタミン不足が原因の「脚気」が流行しました。
また第二次大戦の頃にも兵士のなる代表的な病気が脚気であり、これも主食だけに偏る食生活が原因だったそうです。
現在ではそこからさらに精米技術が発達し、食味こそ優れているものの、削り落とす糠部分に含まれる栄養素を摂取できないため、健康を保つには副菜を充実させることで補う必要があります。
ここ数年では国民の健康意識の向上から、玄米・発芽玄米の需要が高まったり、食味を損なわずにビタミン・ミネラルなどの微量栄養素を摂取することができる胚芽米なども作られるようになっています。
まとめ
食生活の根幹をなす主食の食べ方は、健康な体を維持するための重要な要素です。
最近では米の精製の仕方に加えて、一時期から食べられなくなった雑穀(大麦・ヒエ・アワ・キビなど)を混ぜた雑穀米も人気です。