穀物の種類と知識

トウモロコシについて

投稿日:2019年7月8日 更新日:

トウモロコシはイネ科トウモロコシ属の一年草です。とうもろこしは、世界3大穀物の1つであり、小麦・コメに次ぐ収穫量があります。

比較的痩せた土地でも栽培、収穫できることから、現在では発展途上国の重要資源としての存在価値があります。

非常に品種が多く、主食としてだけではなく、様々な利用があることでも、世界中で栽培される理由です。

ここでは、とうもろこしについての詳細を解説しています。

歴史

とうもろこしについて

トウモロコシの歴史は大変古く、マヤ文明やアステカ文明の時代にすでに食されていました。

15世紀にコロンブスがスペインに持ち帰り、ヨーロッパ、アフリカ、中近東に急速にに広まりました。

アフリカ大陸には16~17世紀に、アジアには16世紀初頭に伝わりました。

日本には16世紀安土桃山時代にポルトガル人によって四国に伝わり、その後、九州に伝わりました。

南蛮船が運んで来たので、ナンバンキビとも呼ばれました。

江戸時代には水田や畑が少ない地域で重要な食料となっていきました。

明治時代には北海道開拓使に伴い、屯田兵が移住したときにアメリカから種が輸入され、北海道で主に栽培されるようになりました。

生産

世界のトウモロコシ栽培面積は1.4億ヘクタール、世界全体の生産量は近年では6.9億トンに上ります。

主要な生産国はアメリカ、中国、ブラジル、アルゼンチンで、そのうち4割をアメリカが占めており、世界最大の生産国となっています。

アメリカでの主な生産地は、アイオワ、イリノイ、インディアナ、ミズーリ、ネブラスカ、ミシガン、ウイスコンシン、ミネソタ、サウスダコタの10州で、この地域一体をコーンベルト地帯と呼んでおり、この地域だけで世界総生産量の1/3を生産しています。

種類

コーンベルトで栽培されている品種は主にデントコーン(馬歯種トウモロコシ)というもので粒の側面が硬い角状デンプンからできており、粒の上の部分柔らかいデンプンでできています。

そのため実が熟すにつれて柔らかい部分が縮んでへこみができるのが特徴です。

フリントコーン(硬粒種トウモロコシ)は、角状デンプンが粒の上部にまで広がっているためへこみはできません。

ポップコーン(爆裂種トウモロコシ)は世界中の子供や若者に食べられていますが、非常に硬い小さな殻粒をもつフリントコーンの変種です。

熱を加えると殻粒の水分が膨張し、はじけて開きます。

フローアコーン(軟粒種トウモロコシ)は、柔らかく濃度の薄いデンプンを多く含み、粉にひきやすいのが特徴です。

南アメリカのインカ帝国があった地方でよく栽培されています。

スイートコーン(甘味種トウモロコシ)は、穀物というよりは野菜として一般に栽培されています。

他の種と違う点は、生長過程で糖分がデンプンに変わらないところです。

とうもろこしの食べ方・利用法

とうもろこしは小麦や米などと同様に主食として古代から現在まで栽利用されています。

ただし、先進国の中でとうもろこしを主食をする地域は少なく、副菜や菓子類などの材料として利用されることが大半です。

ただ、とうもろこしは栽培と収穫が容易なことから、発展途上国では現在でも主食とすることも多く、種子を乾燥・粉砕し、水で練ってから焼くなどといった調理法で食べられます。

日本でも戦中戦後の食糧難の際には、とうもろこしは広く栽培され食用とされていました。

とうもろこしは小麦や米に比べると栽培に広い土地が必要となることから、畑が広大になる傾向にあります。

日本では北海道産のとうもろこしが有名で、これも広大な北海道がとうもろこしの栽培に向いていることがその背景にあります。

日本でもとうもろこしは有名ですが、和食文化には強く根付いていない印象であり、果物や菓子類といったメインの食事の補助的な位置づけにとどまっています。

また、中国ではとうもろこしのヒゲを漢方薬として、韓国では専用の品種がお茶の原料として利用されています。

現在とうもろこしは米国でバイオ燃料の原料としても栽培され利用されはじめています。

とうもろこしはバイオ燃料の原料として使われ始めてから、一気に収穫量が増えている現状です。

まとめ

とうもろこしは主食としての要素を十分に備えながら、小麦や米とは違った利用の仕方をする穀物でもあります。

非常に種類が多く、利用法に合わせた品種改良が今でも行われています。

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