麦は種まきから発芽して成長し、青々とした葉が茂ります。
麦は葉が出始め花をつけるまでは比較的自然災害にも強く、安定した時期が続きます。4月ごろ、穂が出て、それから5~6日たつと花が咲きます。
大麦は草丈60cm~1mくらいに成長し、まっすぐに立った茎の先に穂ができます。葉は細長く1枚ずつ出てきます。
この記事に書いてあること
大麦の穂
大麦の穂は軸の周りに実が並んでついています。
六条大麦では1つの軸に3粒が互い違いに実ります。
上から見ると、6方向へ放射状に実がついているのがわかります。
6枚の花びらがあるお花のような形です。
二条大麦では3つの粒のうち真ん中の粒だけが大きくなるので、上から見ると正反対の方向へ向かって実がついているのがわかります。
無限大の記号、∞のような形に見えます。
開花して子実が熟するのに35日くらいかかります。
芒(のぎ)
大麦の粒一つ一つからは細長い針のような毛が生えています。
この毛は、ノギ(芒)と呼ばれます。
乾燥させて収穫する頃は、ちくちくしてかなり痛いです。
大麦の種類によって長さが違います。芒がない種類のものもあります。
また、大麦だけでなく、小麦や稲にもあります。
止葉(とめば)
イネ科の植物には共通して見られるのですが、成長の段階で最後に穂のすぐ下に葉が生えてきます。
この葉のことを「止葉(とめば)」といいます。
麦の開花期の病気対策
麦は花を咲かせる時期に「赤かび病」という特有の病気にかかりやすくなります。
赤かび病の被害は甚大ですので、この時期の病気の防除は麦づくりにはなくてはならない行程の一つだと言えます。
赤かび病に対しては、現代では科学的研究が進み、かなりのレベルで防除することが可能になりました。
しかし、対処法が確立されていなかった時代には飢饉をもたらすほどの驚異だったのです。
麦の品種による成長期間、麦の育ち方から逆算し、人間の目による目視も含めて赤かび病の防除のレベルを判断します。
赤かび病は降水量に大きく影響を受けるため、防除システムの中で気象庁のアメダスを使用し。細かなデータ診断を実施します。
大農場では無人ヘリコプターなどを用い、薬剤散布による防除が主流です。
この薬剤散布もまたタイミングが繊細であり、時期を間違えると効果を発揮しません。
そのためには開花期への正しい予測と判断が重要になります。
開花期前後の気象予報などを綿密にリサーチし、防除時期を決定します。
まとめ
麦は世界的に需要のある穀物の一種であり、収穫量によって経済への影響も計り知れないほど大きいといえます。
収穫量や品質は、開花期から収穫期までの成長度合いや気象条件に大きく左右され、生産者が最も気を使う時期なのです。
その年の麦の収穫量や品質は、私たち一般消費者の生活にも影響があり、とくに飲食店経営をされている人々にとっては死活問題にもなる要素だと言えるでしょう。