大麦の原産地は中央アジア(今のイラク)のあたりだと言われています。
現在では、大麦は世界中の国々で栽培されています。
大麦を育てるには低温で乾燥した気候が適していますので、ヨーロッパでは特に盛んに大麦が生産されています。
日本では九州から北海道まで、全国的に栽培されており、地域ごとに扱う品種が違います。
一般的に東日本より北は皮麦、西日本でははだか麦が栽培されることが多いようです。
世界の大麦生産量
- 第一位ロシア:17,967,900 トン
- 第二位カナダ:12,327,600 トン
- 第三位ドイツ:10,665,700 トン
- 第四位フランス:9,818,000 トン
- 第五位スペイン:8,698,400 トン
- 第六位オーストラリア:8,525,000 トン
日本の大麦生産量は世界第47位です。
(国連食糧農業機関統計データより抜粋)
日本国内大麦生産量
日本国内の大麦生産量は、17.1万トン(2005年)で、うち、栃木県が第一位26.8%を占め、第二位は佐賀県(21.8%)、第三位は茨城県(7.9%)と続きます。
しかし、日本での大麦生産量は年々減少しており、200万トン以上を海外からの輸入に頼っているのが現状です。(データ 第64版日本国勢図会より転載)
大麦の作付面積
大麦作付け面積の内訳は、二条大麦(二条皮麦)が34,800haで全体の約62%、 六条大麦(六条皮麦)が15,500haで全体の30%、はだか麦(六条はだか麦)が4,540haで、全体の約8%となっています。
以下、県別の作付面積をみてみましょう。
二条大麦(二条皮麦)は
- 第一位 佐賀県 10,100 ha
- 第二位 栃木県 9,930 ha
- 第三位 福岡県 3,520 ha
- 第四位 北海道 2,320 ha
六条大麦(六条皮麦)は
- 第一位 福井県 4,030 ha
- 第二位 茨城県 2,920 ha
- 第三位 栃木県 1,760 ha
- 第四位 富山県 1,690 ha
となっています。
大麦の生産量・栽培農家の増加
大麦の歴史は非常に古く、稲作やとうもろこしよりも長い歴史があります。
しかし、人々の主食の座を3大穀物(米・小麦・とうもろこし)に譲り、多く牧畜資料やビールの原料、食生活の中ではスープやサラダに使われる程度で生産量も多くはありません。
日本は麦茶の原料として用いられる他、麦ごはんの材料としても使われ、長い歴史を持ちますが、それでも主食である米に比べるとはるかに収穫量は少ないといえます。
しかし、昨今の健康ブーム・生活習慣病予防の動きから、健康食品として知られる大麦の需要は徐々に増え始め、それにともない大麦栽培の農地も拡大しています。
米や小麦などの一般的な主食とは違い、健康食品としての需要も増えているのです。
また、大麦が実をつける前の「若葉」は、生活習慣病予防に抜群の効果を発揮することが分かり、"青汁"として普及しはじめたことでも大麦の作地面積が増える理由にもなっています。
こういった青汁の原料として栽培される麦に関しては、穀物としての統計には入らないので、発表されている数字よりもはるかに多くの農地があることが予想されます。
ここ数年の大麦の需要は右肩上がりに増えていることから、現在農業者の高齢に伴う空農地の中に大麦畑として再利用される動きが活発になっています。
まとめ
少し前ダイエット効果があることで人気となったもち麦が国内で需要が高まり、海外ではオーストラリア政府が10年の歳月をかけて開発した大麦の新種であるバーリーマックスも世界的なブームとなっています。
とくに先進国で進む健康志向の流れの中で、大麦栽培は広がりを見せています。