大麦の作り方

精麦の種類と精麦工場

投稿日:2019年7月16日 更新日:

麦を精製する方法にはいくつか種類があります。麦には小麦・大麦と大きく2つの種類があり、またそれぞれに品種が多く存在し、精麦の技術も品種ごとに違うのです。

小麦は世界的に同じような利用方法ですが、大麦は各国で処理方法も違い、それはその国での大麦の利用方法に由来します。

スーパーで陳列されている大麦も同様で、品名が大麦の品種ではなく精麦法からついているものも少なくありませんから、消費者もある程度の知識を持っておくことが大切です。

ここでは、精麦法の概要と品種や精麦法による種類の違いなどを解説しています。

押麦(おしむぎ)

外側の皮をむいて、蒸気で加熱し、ローラーで平らにしたもので、麦ご飯の中に入っている粒がこれです。

平たくつぶされた粒の真ん中に黒いすじが入っています。

よく見かける伝統的な精麦です。

お米に胚芽米があるように大麦にも胚芽をそのまま残した製品もあります。

白麦(はくばく)

押麦にみられる真ん中の黒いすじ(黒条線)を業界用語ではフンドシと言います。

この黒いすじの部分が気になるという人のために、すじに沿って2つに切り、黒いすじを取り除き、蒸気で加熱し、ローラーで平らにしています。

麦ご飯や麦粥などに最適な精麦です。

米粒麦(べいりゅうばく)

真ん中の黒いすじに沿って二つに切り、さらに磨いてお米の粒の形に似せて削った精麦です。

形や比重がお米と同じくらいに加工されているので、お米と一緒に炊いても、麦が入っていることが気にならずに食べられます。

学校給食などで良く使われているのもこのタイプです。食感はパラッとしています。

精麦工場での加工工程

原麦精選行程・・・収穫された原料の大麦を選別し粒の小さいものや、軽いもの、ゴミや小石などを取り除いてきれいにする。

搗生精(とうせい)行程・・・大麦の一粒一粒から籾殻(もみがら)を取り除き、石のロール(回転式の砥石)でこすってヌカを取る。

切断行程・・・米粒麦と白麦はこの後、自動のカッターにかけ、大麦の粒を真ん中の黒いすじにそって二つに切る。押麦はそのまま次の工程へ。

仕上げ搗精行程・・・仕上げにもう一度石のローラーで磨きをかけ、ぬかなどを綺麗に削り取る。

米粒麦→蒸煮(じょうしゃ)と言って高温で蒸す。その後冷却、感想。

押麦・白麦→圧ペンと言って、蒸気をかけてから、ローラーで平らに押しつぶし、加工し、乾燥機にかけて乾燥、冷却させる。

最終選別・・・細かすぎる粒を取り除き、粒が綺麗にそろった大麦を選別する。

完成。包装され出荷。

日本の精麦の現状

現在、世界の食材の貿易はグローバル化されています。

日本での麦類の自給率は10%以下であり、また精麦して輸入されるか、原料を国内で精麦するかによっても品質が違います。

食品の原材料や加工について気になるのが衛生状態と安全性です。

日本での麦の安全性はどういったシステムによって保たれているのかが気になるところです。

日本での麦の精麦加工については全麦連という機構が中心になり管理しています。

国内で流通するすべての麦製品が全麦連の管轄ではありませんが、加入している企業の製品には「全国精麦工業協同組合連合会」の表示がされているので、消費者が判断することができるようになっています。

全麦連管理の麦類製品は、原材料の安全性・工場の衛生管理などが徹底され、安心して利用できる基準に達しているといえます。

まとめ

麦類、とくに大麦は品種や加工方法についての消費者知識が十分ではありません。

健康のため、料理のために利用する際にも、ある程度の知識が必要なのです。

適切な品種と加工法を選択し、かつ安全な製品を購入して食生活に麦をとりいれましょう。

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